好意の返報性を勘違い!?心理士が解説する恋愛心理学

こんにちは!
ぽっぽです

よく恋愛心理学とかで見る用語で、
「好意の返報性」ってのがあります。

これは、
自分に好意を向けられれば、
同様に自分も好意を持つようになる、
という法則のことです。

私はこの法則について、
少し疑問を持っています。

というのも、
勘違いをして理解をされているんじゃないかと思うんです。

今回は、
好意の返報性について考えてみたいと思います。

好意を向けられれば好きになる?

好意の返報性は、
好意を向けられれば好きになる、
ということです。

だから押せ押せで行けば良いんだ!!!

と解釈することもあるでしょう。

ここで考えてみてください。

好意を向けられれば好きになるんですよね?

街中でいきなり、
「うわー君可愛いね!好きだよ!!」
って言えば相手は自分に好意を持ってくれますか?

好意を抱かないですよね。

いきなり言われたらびっくりもするし、
相手が誰かもよくわからないし、
正直好きになんかなれるわけじゃないです。

これは心理学の法則に限らないとは思いますが、
常にどんな状況でも法則が当てはまるわけじゃありません。

水は100度で沸騰しますが、
圧力鍋のように圧力をかければより高い温度で沸騰するようになります。

同じように心理学の法則でも、
状況が変わればその法則が当てはまらない場合もあるのです。

好意の返報性自体を否定するわけではありませんが、
誰でもいつでもどこでも法則が当てはまるというわけではないのです。

好意の返報性を考える

好意の返報性を単純に言うならば
好意を向けられれば好きになる、
ということです。

ですがこの法則を支持する背景として、
複数の要因が考えられます。

まず一つに、
日本人的な特性があります。

日本人は「和」を重んじる文化で、
人との関係を重視します。

その文化の独特な点で、
お祝いをしてそのお返しが来る、
などもあります。

これは何かをしてもらったらお礼を言ったり、
お礼をしないと引け目を感じるような文化があるといえるでしょう。

そのため好意を向けられる中で、
何かを返さなければ悪いような気がしてしまい、
結果好意をもつことになると考えられます。

さらに、
認知的不協和理論というのもあります。

これは現実と感じていることにギャップがある際に、
その物事の感じ方を変えてしまうという理論です。

前述のお返しをしなければ申し訳ない、
ということで何かお返しをしたりするとします。

すると感じていることは特に何も思っていないのですが、
現実は好意を持っているかのような行動をします。

これをこころが、
好意を持っているからやっているんだ、
と錯覚をしてしまうのです。

すると結果として、
好意を持つようになると考えられます。

他の要因も色々とあるとは思いますが、
いきなり好意を向けられたからといって好きになるわけじゃないんです。

その理論を支持する背景があるように、
好きになるにも準備のようなものがあるのです。

好意の返報性を使うには

ココまでお話をした通り、
いつでも押せ押せで好意を寄せれば良いわけじゃないです。

その準備がいるわけです。

もう少し言うと、
好意を寄せられても嫌じゃなくて、
好意を持ってもおかしくない状態、
になってないと難しいと思います。

好意を寄せられても相手のことをよく知らないと、
何か裏があるんじゃないかとか考えて、
その好意を受け入れられないです。

そして自分のことをよく知ってもらって魅力を感じないと、
相手に対して好意を持てないでしょう。

つまりは、
相手に対して好意をもつ準備が必要なのです。

これについては別の記事でお話をしておりますので、
またそちらもご覧いただければと思います。

『好意の返報性を活用するための準備』

まとめ

好意の返報性は、
いつでもどこでも誰にでも働く訳じゃない。

好きになるための準備がいる。

よく心理学の法則などが紹介されたりしますが、
その法則を都合の良いように解釈してしまうことが多いです。

特定の法則が導かれるのは、
実験や研究を行った結果で、
当然その法則を主張する背景があるのです。

その背景を無視してしまうがために、
勘違いを起こしてしまうのです。

背景まで調べましょう!
とまでは言いませんが、
少しだけ疑うということを考えてもらっても良いんじゃなかと思います。